「ももちゃんのこと好きなの?」
いつものように仕事のことでダメ出しを食らうと思っていた充は、思わず
「え?」
と間抜けな声を出した。
「聞いたんだ、デートのこと」
「ああ、なるほど」
ここの女子社員は佐和子と真琴、そして桃香の三人だけ。
週に3日ほどパートのおばちゃんが来るが、数には入れないでおく。
三人はとても仲が良く、大体毎日一緒に昼食を食べている。
そこで話が出たのだろう。
「それであんた、ももちゃんのこと好きなの?」
少し重みのある口調に、充は攻められている気持ちになった。
中学生じゃあるまいし、隠す必要もない。
「まあ、はい」
そう答えると、佐和子はもっと重い口調で言った。



