所内がざわついた。 それもそのはず。 二人の微妙な関係は誰も知らないのだ。 充は構わず、立ち上がって警官に詰め寄った。 「場所を……病院を教えてください!」 そしてまるで鉄砲玉のように事務所を飛び出したのだ。 電車に揺られている間に汗は引いていった。 ただ、まだ手足が震えている。 自らの主張がこの事態を招いてしまったのだ。 唯一の救いは、まだ桃香が生きているということ。 「あたしが殺したの」 桃香のセリフがシンクロした。