血の気が引いた。 頭がヒヤヒヤして視界が大きく揺れ出す。 「……は?」 「現場に遺書もありまして、こちらは自殺だと判断しているのですが……」 「ちょ、ちょっと待って。それっていつですか? 現場って?」 噛み付く勢いで問いただす。 ガタイの良い警官は遠慮がちに答えた。 「土曜の早朝と見られています。場所は、都内の墓地です」 「土曜? 早朝? 嘘でしょ……?」 充は頭を抱えてしゃがみこんだ。 その数時間前まで一緒にいたのだ。 記憶がよみがえる。