ダブルベッド




 翌日、充は指定された場所に約束より7分遅れで到着した。

「久しぶりー」

 遠慮なしに車に乗り込んできたヒカリは、長かった髪をバッサリ切っていた。

 驚きついでに軽くテンションが上がる。

「おお~、切ったね」

「うん、イメチェン。似合う?」

「似合う似合う」

 夏休みの時もそうだった。

 桃香のことで気分が落ち込んでも、ヒカリの明るさに救われている。

 大きな影を背負っている桃香より、ヒカリの方が合っているのかもしれない。

 充は昨夜の桃香を思い出しながらそう思った。