ダブルベッド


 心地良いけれど、ちょっと痛い。

 そんな気持ちのまま、充は昼間に来たヒカリからのメールの存在をすっかり忘れてしまった。

 彼女のメールはどんどん目の届きにくいところに押し流されていき、それ以来充が開くこともないまま迎えた金曜日。

 充は一旦帰宅して、いつものように桃香の部屋に向かう。

 今日は誰と会ったのだろうか。

 時間はそろそろ深夜11時半になろうとしている。

 呼び鈴を押すと、桃香は戸惑うこともなく充を迎え入れた。

「どうしたの? そんな顔して」

 桃香が唇を尖らせ首を傾げる。

「そんな顔って、どんな顔してるの?」