ダブルベッド


 つまり、結婚とは。

 よく言われるが「人生の墓場」なのではないだろうか。

 充は正直、結婚という言葉にビビッているのだ。

 人生の墓場を迎えるという予想は誰にでもできるだろうに、なぜ人々は結婚をするのか。

 小遣いが2万円しかないのに、なぜ既婚者の多くは

「幸せだ」

 と言えるのか。

 充はそこに小さな好奇心がある。

 更には結婚を決意するというのは、どんな時なのか。

 死んでしまった婚約者は、どのように桃香を幸せにしようと思っていたのか。

 どのような幸せを描いていたのか。

 どうしたら桃香に「うん」と言ってもらえるのか。