桃香と同じ答え方をしたことを追求してみることにした。
もし二人がそういう関係なら、自分は邪魔者に他ならない。
無理矢理取り付けた土曜のデートだって、もしかしたら先に二人で約束をしていたかもしれないし。
見た目以外で沢田に勝てる気がしない……なんて思うのも悔しいけれど。
後から惨めな思いをするくらいなら、今のうちに身を引く方が賢いと思ったのだ。
そして悪い予感が当たったのか、充の問いに沢田はギクリと表情を固くした。
「それって相手は誰なんすか?」
「誰って……」
「俺の知ってる人ですか?」
「ああ……まぁ」
「言えないような相手なんすか?」



