ダブルベッド


「うわぁ!」

 驚きたいのは桃香の方なのに。

「近所迷惑よ」

「ごめん」

 桃香は挙動不審な充に呆れた顔を見せ、仕方ないといった感じで彼を部屋に入れることにした。

 充は申し訳なさそうにお邪魔して、桃香に続いて手を洗う。

 尋ねられることはわかっていた。

「どうしてここにいたの?」

 責めるような口調だった。

 無理もない。

 アポは取っていないのだ。

「会いたかったから」

「来るなら連絡くらいしてよ。死体だと思ったじゃない」

 充はプッと吹き出した。