ダブルベッド


 そういえばそんな話を沢田にしたような気がする。

「いや、あの子、ダメっすね」

「ダメ?」

「向こうまだ学生で、平日の夜中に平気で電話とかメールとかしたがるんすよ。こっちは社会人だし、翌日のこと考えたら厳しいじゃないっすか」

「まぁ、そうだけど」

「だから、そういうの無理って言ったら連絡来なくなりました」

「まぁ、そうだろうな」

 沢田は呆れたようにため息をついてグラスのお冷やを飲んだ。

 やることはやりましたけど。

 とは言わないでおく。

 その代わり、

「沢田さん、彼女、いるようないないようなって言いましたよね?」