ダブルベッド


 惨状よ。

 救急車に乗せられる前に見た、事故現場に匹敵するくらいの。

 醜すぎた。

 こんなところ、これ以上涼太に見せたくなかった。

「やめて……」

 最初はか細い声しか出なくて。

「池田さんはいいわよねぇ。だって娘さんは生きてるんですもの」

「もうそれくらいにしなさい」

 お義母さんは更にヒートアップしちゃって。

 何度か試して、やっと聞こえるくらいの声が出せた。

「もうやめて!」

 大きく口を動かすと、殴られてた顔が痛んだ。

 立ち上がるとみんながあたしを見てた。

 あたしもきっと、お義母さんに負けないくらい醜かったと思う。