別にペーパードライバーだったわけじゃないのよ。
彼の車は運転し慣れてた。
だからいつもみたいに、軽い気持ちで代わって。
普通に運転してたの。
都内の知り合いの店でおいしいもの食べて、その帰りもあたしが運転した。
それもいつものこと。
いつも通りだったの。
それまでと違ってたのは、もうすぐ結婚式で、浮き足立ってたことくらい。
夜だったけど、東京の国道って明るいじゃない。
別に、危ないってことは何もなかった。
でもしばらくして、隣に大きなトラックがきてね。
ほら、トラックがいると見通しが悪くなるじゃない。
そのときはただ、やだなって思っただけだった。



