そしたら彼、にっこり笑ってあたしに指輪をくれた。
「結婚して」
質問の時はそんなでもなかったのに、実際に言われるとガツンと響いてきた。
付き合うまでに頑張ったこと。
付き合い出してからの思い出。
そういうのが一気に湧き出してきて。
そしてこれから歩んでいくであろう未来の光景が一気に膨らんで。
あたしの頭と心の容量では足りなくなって、涙が出てきた。
指輪もね、すっごくキラキラしてて。
ダイヤモンドなんてちゃんと見たことなかったから余計に感激して。
それこそあたし、明日にでも死んじゃうんじゃないかって思った。



