謎が解けていく。 広すぎる部屋。 タバコの吸い殻。 ダブルベッド。 思い人の行方。 桃香の抱えている過去は、どれも重くてショッキングで、とてもじゃないけど充が自信を持って支えられるような代物ではない。 事実を聞いてしまった以上、下手な慰めもできない。 桃香の過去を前に、充はすでに押し潰されそうだった。 「もう十分でしょう?」 「え?」 「木下くんにはもう、全部話した。だからもう、十分でしょ?」 桃香は充から体を離し、ひざを抱えて丸くなってしまった。