翌朝、給湯室にて。 充が出社すると、すでに給湯室には沢田がいた。 「はよっす」 「おはよう」 沢田に並んでタバコに火をつける。 朝の気だるい空気を、煙と一緒に換気扇が吸う。 「そういえば、沢田さん」 「んー?」 「毎熊さん、どうやって落としたんですか?」 よりによって彼が美人席の女をモノにできるなんて、何か秘策でもあったのだろうか。 そういう好奇心だった。 沢田はうーんとしばらく考えて、 「我慢した、かなぁ」 と答えた。