ダブルベッド


「ったく、ホントあの人にはかなわねー」

 ボソッと呟いた沢田は、将来的には所長のようになるのではないかと思った。

 何かあったらすぐに気付くところなんて、所長にそっくりだ。

「沢田さんも同じようなもんすよ」

「はぁ?」

「すぐに気付くとことか」

「所長とは比べもんにならねーだろ。お前はわかりやすいんだよ」

「え、そうなんすか?」

 まだまだ蒸し暑い夏。

 所長に飲まされた酒が回って、少々キツい。

 二人はまっすぐ駅に向かい、コンビニでウコン系飲料を飲んで、それぞれの家へと向かった。