ダブルベッド


「そう考えるとさ、人間って幸せな生き物だよねぇ。俺なんか欲だらけよ。あ~幸せ幸せ。酒もうまい!」

 豪快に笑う所長が頼もしく見える。

 こういう人物だったら、桃香の幸せも見つけてあげられるのだろう。

 そう思った。

 その後一時間くらい所長の話に付き合って、この場は解散になった。

 もちろんいつものように

「オジサンに任せときなって」

 という所長にご馳走になった。

 居酒屋を出たところで所長は夜の街に消え、充は沢田と二人、呆然とその姿を見送った。

 沢田はフーッとため息をつく。