ダブルベッド


 それは夏の盆休みも間近な、夕方頃のこと。

 充や他の営業マンなど、社員の大体が営業所に集いつつあった。

 勢いよくオフィスの扉が開いたと思ったら、そこに嵐は登場した。

「ハローエブリワ~ン!」

 一同、絶句。

「ヘイヘ~イ、どうしちゃったのよ。元気ないじゃなーい」

 やたらとテンションの高い、そして背も高い、更に鼻も高い中年男性。

 充が彼に会うのは約2週間ぶりだった。

「おっ! 桃香ちゃ~ん」

 ハーフ並みにホリの深い顔をした彼は、ジムで鍛えている体で……

「久しぶりだねぇ。オジサン会いたかったよ~」

 桃香にハグをした。