パーキングのある通りまで戻り、日の光を反射する充の車が見え始めた頃。 充はふと、桃香の矛盾に気がついた。 「さっき誰とも恋愛する気はないって言ったよね」 「うん」 キーレスエントリーで解錠し、一旦ドアを開けて車内の熱を逃がす。 その状態で駐車料金を払い、まだ暑い車に乗り込んだ。 「でも、彼氏がいるようないないようなっても言ってた」 「……そうね」 「それってどういうこと? フラれた身としては納得いかないんだけど」 桃香の美しい顔の裏に隠された秘密は一体、どこまで深いのだろう……。