「あーあ、フラれちゃった」 へへっと笑いながらも、帽子で顔を隠す。 割れるようなセミの鳴き声と刺すような太陽の熱が充の痛みを更に刺激した。 強がって笑ってみるが、情けない表情であるにちがいない。 「でも俺、諦められないかも」 「ダメよ。あたしはもう、誰とも恋愛する気はないもん」 容赦のない彼女の言葉は、日差し以上に強烈。 「思うのは俺の勝手だろ?」 「そうかもしれない。けど、あたしは木下くんに幸せであってほしい」 「だったら俺と……」 「ダメ。それじゃ幸せになんかなれない」