なんだ…


どう…なった…んだ…


一言も発しないアニキの後ろ姿を見ながら、
不安を抱える


準備をして、
無菌室へ入れば…


ベッドのリクライニングで
上半身を起こされた香澄がこちらを向いていた



「…香…澄…、香澄っ!」


香澄の傍に寄って、声をかけた



「隼人…」


一言だけ言葉を発し、微笑む香澄



「全ての数値が正常だから
大丈夫だ

良かったな、隼人…」


アニキが俺の肩をポンと叩き、
そして、

俺と香澄を2人きりにしてくれた


俺は、香澄の髪、頬、唇、
確かめるように
ゆっくりと撫でた

そして、

「よく…頑張ったな…
ありがとう…香澄…」


コクリと頷く香澄


俺は、
香澄の手を俺の掌ですっぽりと包んだ