「は…やと…」


俺の背に
小さく呟いた香澄

俺が振り返ると、
俺がいつもする時計を握りしめ
その場に倒れた…



「香澄っ! 香澄ーーーっ!」



久美子の手を払いのけ、
香澄に駆け寄り、上半身を俺の膝に乗せ
名前を呼ぶが、答えない


朝の時間帯だったため、
マンションの住人たちが、
数人、ロビーに降りてきたおかげで
救急車を頼み、
到着するまで、
香澄の名を呼び続けた