今更とか。

絶対に望みが無いとか。

そんな事考えてたら動けなくなるから。


何もかも忘れて勢いだけで。


だってそう。

もう嫌なんだもの。


お姉ちゃんに嫉妬するのも

和美に嫉妬するのも。

もうたくさん。

自分が好きになれる自分になりたい。


「……あたしっ」

「ん?」

「中本さんが、好きです」

「……え?」


言ってしまった言葉が、ふわりふわりと宙に舞う。

私の頬は、恥ずかしさで赤くなる。

顔をあげて、彼の表情を確認することさえできない。