「……珪」 「ん?」 機嫌が良さそうな珪に …私は言えなかった。 「なんでもない。 送ってくれてありがとね」 「うん。じゃあな」 去っていく車に手を振る 今日も、言えなかった もう私と龍が別れて 三週間がたっていた その日が増えるにつれ 増していく不安 どうか 私の疑り深い性格のせいで あって欲しい… そう願うしかなかった