五枚目が配られ、全員がコール
すると、順番に伏せてある一枚のカードをオープンし、手役の強弱で勝負がつく。

これが基本的なスタッドポーカーで、五枚配られるからファイブスタッドという。
これに、ワンカードチェンジや、ワイルドカードのルールが加えられたやり方もある。

セブンスタッドは、カードチェンジの代わりに、七枚配られたカードで手役を組み合わせるというゲームだ。

始めに、二枚カードが伏せられ、三枚目から一枚毎に表向きで配られ、その都度チップの掛け合いがされる。最後の七枚目は伏せたままで配られるので、表に現れた四枚のカードと、伏せられたカードを予想しながら勝負をして行く。

スタッドポーカーの中でも、セブンポーカーが一番ギャンブラーの資質を必要とされるかも知れない。

カジノ・ロワイヤルではセブンポーカーをメインにしている。

竜治も最初の頃は、その複雑なルールと、駆け引きの重要性に戸惑い、なかなか勝てなかった。

人だかりの外側からテーブルを覗くと、ヤンが一番左手にいた。
半円状のポーカーテーブルは、最大七人がゲームに参加出来るように作られている。
扇の要の位置にディーラーが座り、カードを配り、ゲームをリードして行く。

そのディーラーが苦虫を噛潰したかのような表情をしながら、丁度全部のカードを伏せてダウン…勝負から降りた所だった。

他の客はと見れば、三人座っているが、いずれもそうそうにダウンしていたようだ。

竜治は、ヤン以外の客達を注意深く見た。
三十代の女一人に、中年の紳士風と二十代のホスト風……
次の勝負の為にカードが配られ、ゲームが始まった。
三人とも特に怪しそうな雰囲気はしないかったが、寧ろその方が不自然に竜治は思えた。

「大野、あの客達は何時からテーブルに?」

「社長も、コンビだと…自分もその事を疑ってみたんですが、なんせ皆バラバラの時間で…疑いだしたら、全部が怪しく思えちゃって…」

「本気でコンビで来るんなら、ブラックジャックの方が店を潰しやすい筈だしな…しかし、どうして一千万なんて事になったんだ?」

「はい…ディーラーのキムがアンティのアップに応じたのが始まりになったんです。」

「ヤンが求めて来たのか?」