どれ位眠っていたのだろう…

ふと傍らに眼をやると、竜治の姿が見えない。
一瞬、自分が竜治のベットで眠っていたのは夢だったのでは?と錯覚した。

シャワーの音が聞こえた。

夢じゃなかった……

竜治は、久々に惰眠を貪ったせいか、寧ろ頭が変に重く感じられた。

暫く、熱い湯を首筋に当てたままにした。
すると、突然、扉が開けられた。
裸になったジュリが立っていた。

「何してんだお前……」

「何って…アタシもシャワー浴びる……」

「……。」

竜治は無言のまま、自分の頭を洗いだした。

「リュウちゃん洗ったげる…」

「いいよ。」

「結構上手いんだよ。ほら、しゃがんで。」

仕方無く竜治はジュリのされるままになった。
狭いシャワー室だから、二人一緒になると、身体がいやでも密着する。
中腰になると、ジュリの胸が時々首筋に触れた。

「身体も洗ったげようか?」

「そこまでしなくていいよ。」

「あれ?照れてる?」

「バカ…」

頭上でジュリの笑い声が響いた。
シャンプーの泡を流し終えると、ジュリは竜治の背中にボディソープを垂らした。

「冷てえ!」

「ウフッ…ほら、気持ち良いでしょ?」

「お前、まるでソープ嬢みたいだぞ。」

「そう?じゃあ働いてみようかな…」

「お前の歳じゃ何処も使ってくれねえよ。」

「歳ごまかせば平気だよ。キャバに面接行った時も友達のお姉さんの保険証で大丈夫だったよ。」

「キャバで働いた事あんのか?」

「一日だけ。」

「そういうのは働いたって言わねえよ。」

「はい、背中は終わり。こっち向いて……」

「いいって…」

「だから、照れなくてもいいじゃん。あっ、それとも、リュウちゃんて女の子とこうしてシャワーするの初めて?」

「大人をからかうと後で痛い目に会うぞ。」

「いいから、いいから…」

無理矢理前に向けさせられると、竜治の目にジュリの眩しい裸体が飛び込んで来た。

「あんまり、見ないで……」

「お前の方が照れてるじゃないか。」

少し赤みを帯びたジュリの裸体に、シャワーの湯が撥ねる。
竜治は欲情した。密着してた互いの身体をより密着させようと、両腕を背中に回した。