上原と話しをして気付いた点は、この商売はかなり美味しいという事。
だからこそ、道玄坂界隈に無数の風俗店が犇めきあっているわけだ。
それでも、ここ何年かは風営法が年々厳しくなって来たせいで、以前程の客足ではないらしい。
フェアリーテールは会員制の高級デートクラブだから、余りそういった影響は受けていない。
何しろ、渋谷署は勿論の事、警視庁の幹部クラスまで顧客に入っている。
前のオーナーが相当やり手だったのだろう。
竜治は自分の懐に入って来る札束の勘定をしてみた。
シャブ屋のパシリからいきなりのジャンプアップ。
つい何時間か前迄は、無気力の塊になっていた心の中に、突然命を吹き込まれたような気分になった。
「早速明日から営業再開だ。」
上原にそう言って、女の手配を任せた。
マークシティを抜け、ハチ公前に出ると、ジュリが大きな紙袋を二つ抱えて立っていた。
ジュリも竜治の姿に気付いた。
互いに歩み寄る感じで、どちらからともなく、声を掛け合った。
「寝てたんじゃなかったのか?」
「着替えが無いとね…」
そう言えば着替えを取って来ると言っていたのを思い出した。
「腹、減らないか?」
「さっき、マック食べた。あっ、お金ありがとう…助かった。」
信号が青になる。
身動き取れない程の人の集団が一斉に動く。
ジュリの腕が竜治の右腕に絡んで来た。
身体を密着させ、人込みから身を避けようとしてるかのようだ。
「持ってやるよ。」
ジュリの手から紙袋を取った。
「結構重いな。」
「いろいろ詰め込んであるから。」
「買い物、付き合わねえか。スーツ買う事になっちまって……」
「うん、いいよ。何処にする、マルイ?パルコ?」
「どっちも行った事ねえ。」
ジュリは急に嬉しそうな顔をし、竜治の腕を引っ張るようにしてマルイの方に向かった。
だからこそ、道玄坂界隈に無数の風俗店が犇めきあっているわけだ。
それでも、ここ何年かは風営法が年々厳しくなって来たせいで、以前程の客足ではないらしい。
フェアリーテールは会員制の高級デートクラブだから、余りそういった影響は受けていない。
何しろ、渋谷署は勿論の事、警視庁の幹部クラスまで顧客に入っている。
前のオーナーが相当やり手だったのだろう。
竜治は自分の懐に入って来る札束の勘定をしてみた。
シャブ屋のパシリからいきなりのジャンプアップ。
つい何時間か前迄は、無気力の塊になっていた心の中に、突然命を吹き込まれたような気分になった。
「早速明日から営業再開だ。」
上原にそう言って、女の手配を任せた。
マークシティを抜け、ハチ公前に出ると、ジュリが大きな紙袋を二つ抱えて立っていた。
ジュリも竜治の姿に気付いた。
互いに歩み寄る感じで、どちらからともなく、声を掛け合った。
「寝てたんじゃなかったのか?」
「着替えが無いとね…」
そう言えば着替えを取って来ると言っていたのを思い出した。
「腹、減らないか?」
「さっき、マック食べた。あっ、お金ありがとう…助かった。」
信号が青になる。
身動き取れない程の人の集団が一斉に動く。
ジュリの腕が竜治の右腕に絡んで来た。
身体を密着させ、人込みから身を避けようとしてるかのようだ。
「持ってやるよ。」
ジュリの手から紙袋を取った。
「結構重いな。」
「いろいろ詰め込んであるから。」
「買い物、付き合わねえか。スーツ買う事になっちまって……」
「うん、いいよ。何処にする、マルイ?パルコ?」
「どっちも行った事ねえ。」
ジュリは急に嬉しそうな顔をし、竜治の腕を引っ張るようにしてマルイの方に向かった。



