「心に決めたファーストキスの相手を私は逃さない」 ゼロはしゃがんでおれを抱きかかえる。 「赤いダリアの花言葉は……」 「知って……る。う……“移り気”だ……ろ」 「調べてくれたんだ」 ゼロは笑顔になり、おれに顔を近づける。 キスの感触のあと、レモン味が微かに口の中に広がった。 「サヨナラ」 ゼロからの別れの言葉は素っ気なく、おれの頬から一粒の涙が落ちた。 <了>