倉吉のお父さんが死んでいる絵ではなく、おれは自分の父親を描いていたのだ。 この落書きが気に入って父親は額縁に入れたのかもしれない。 「倉吉の野郎!」 おれは屋上から倉吉のお父さんを落としてなんかいなかったんだ。 倉吉はきっと自分自身の罪をおれに押し付け、ものの見事にゼロを協力させたのだ。 おれは絵を元の位置に戻した。 割れたガラスの破片を片付けていると電話が鳴った。 「はい、田中です」 「あっ、もしもし菅原だけど……」