左右どちらも笑っている顔なのに印象は正反対。 おれはどっちのゼロを信じればいいんだろう? 「田中君、大丈夫?」 静かな声で倉吉が後ろから尋ねてくる。 「ああ」 おれは素っ気なく返事をして立ち上がった。 「いまの蜜姫さんじゃない?」 倉吉にだけはゼロを犯人扱いされたくない。 「おまえ?!」 平手打ちをするために手を上げようとしたが、倉吉が片手に持っているものが目に入り、おれの覚悟はあっさり末梢された。