「血のついた凶器の日傘とゴスロリの服を持って逃げても、零が人殺しとは限らない」 「田中君っておめでたいわね」 癪に障る言葉だが、言い返す気力が萎えた。 短時間にいろんなことが起こりすぎる。 これから自分がするべき行動が見当たらず、頭の中を少し整理したかった。 ゼロは……自分の家に帰った?んだよな? 問いかけは頭の中で反響して質問を繰り返すだけ。 思考が停止しつつあったが、それまで静寂が満ちていた住宅街に「キャ!」という短い悲鳴が耳に届く。