「落ち着けよ、倉吉」 「上がった熱はすぐには冷めないのよ」 「いまここでするのはマズい」 言ったあとで失敗に気づいた。 “いまでなければOKしてくれるのね”という類のツッコミをされたら返す言葉がない。 「いまじゃなければ意味がないのよ」 倉吉が表情を変え、切羽詰った言い方をする。 「どんな意味があるんだよ?」 「田中君の彼女である蜜姫さんが寝てるその横で、キスするなんてドキドキするじゃない」 倉吉は目を輝かせてとんでもないことを口にした。