「こんにちは」


「こ、こんちは……」


不審なほどの満面の笑みをこちらに向けながら、少女は俺に挨拶してきた。

対して俺はぎこちない微笑みでそれに返す。

地元の子か?

じいさんかばあさんの知り合いだろうか。

田舎にいるにしては随分と身奇麗な子だ。

母に尋ねようと振り向くと、いつの間にか母は姿を消していた。


「かあさーん?」


返事はない。

えぇい、何故肝心な時にいなくなるのだ。

じいさんもばあさんも畑仕事で今はいない。



……俺が相手するしか、ないか。



子供の相手は苦手なんだけどな。