本当ですか?

『おっはよぉ』と元気に入って来たのは沙紀だ。


久しぶりに見る沙紀は、少し変わっていた。
髪の毛が歩と同じ色になっていた。
明るい髪色は沙紀に似合っている。


そして、二学期が始まったんだ。


二学期に入るともうすぐ文化祭が待っていた。
僕達のクラスは模擬店。
メニューは『たこやき』


僕と歩は作る係りで準備に追われていく。


楽しいから良いんだけど。



・・・そして文化祭当日。


他高の生徒達がいっぱい来ていた。


頑張らなくちゃ。



僕達のたこやきは繁盛した。
すぐに売り切れ。
また新しいの作らなくてはならない。
ホントは文化祭百合と回るはずだったんだけど、こんなに忙しくなるなんて思わなかったから回れなかった。


百合は寂しかったかな?


『歩ー優ー交代しようぜ』とクラスの友達が変わってくれた。


これから百合と回れる。


でも百合は見当たらない。
教室にもいない。
どこにいったのかな?

教室には沙紀がいた。


『沙紀、百合見なかった?』


『えっ!?』


驚いた様子を見せる沙紀。
明らかに動揺をしている。


『百合見なかったか?』


『…百合は見てない…かな』


こう言って、教室から出て行ってしまった。


沙紀は何か隠している。


そんな不信感を抱いて、僕は百合を探した。


見当たらない…


人が多くて動きにくい。


すると前方に百合の姿を見た。



『百合!!』


僕は名前を呼ぶ。
だが百合は気づいてくれない。

人が多すぎて聞こえなかったのかな。


『百……合?』


そこには百合と滝川先輩が居たんだ。