僕はカメラを持って、秘密の場所に来ていた。
夕日が僕達の街を染めていく。
僕はそんな街を、カメラにおさめた。
『百合…何も変わっていない…や…
あの時と同じだ…
百合…
俺の時間は止まっている…
動かないんだ…
自分は進んでいると思うよ?
でも…
恋の方は…
一向に進んでくれない…
百合を思い出しちゃうからかな…』
僕は見えかけた星を見た。
あの星は、前に百合と一緒にみた時もあった。
何も変わっていない。
この景色も。この夜空も。
僕はそんな世界に涙を流す。
するとどこからか声が聞こえた。
『何で…泣いているの?』
僕は声がする方に向いた。
そこには、
女の人が立っていた。
僕は彼女を見た。
僕は彼女の瞳に吸い込まれていく。
『…運命って信じる?』
百合…
今の僕に運命って信じる?と尋ねたら、すぐに答えるよ。
僕の運命が、この僕と百合と秘密の場所から動き出した。
止まっていた世界も、少しずつ動き出した。
運命って不思議なもの。


