私は、先生に全てを話した。


先生は泣きながら聞いてくれた。

私の手を握ったまま。


頷いて聞いてくれた。


私はそれからバイトを辞めた。


鈴に会うのは少し抵抗があったから。



私は和哉と鈴のアドを消した。


もちろんバイト先も。


今私のアドレス帳は、


施設だけだった。





私はひたすら勉強をした。
清秀高校に行くため。


そして、私に桜が咲いた。


新たな世界が開いた。


それと同時に、私は施設を出た。


一人暮らしをする事にした。


先生と離れるのは寂しかったけど、施設には今も遊びに行っている。


借りたマンションは施設の近くだった。



―入学式。


私は和哉が通っていた高校へと歩いて行った。


新しい気持ちで。



でも一年生は楽しい事がなかった。


まだ小さい人間だった。


友達もできなかった。


それが嫌で毎日つらかった。


みんなと仲良くなりたいのに。



私は自分を傷つけた。


ハサミで。



でも切ったあと思い出すのは、先生の言葉。


それを思い出し、消毒をする。



毎日がその繰り返しだった。


自分を変えたい。



でも自分を変えるのは他人でもなく、自分自身なんだ。



私は変わる…


そう信じている。


今も。