大音量の自分の叫び声でハッと我に返った私は、パチリと目を開けた。


見慣れた、白いクロス貼りの天井から淡いアイボリーの小花柄の壁紙へ、


その下の、パステルピンクのカーテンの隙間から柔らかい朝日が差し込む窓辺まで、ゆるゆると視線を運ぶ。


壁掛けの鳩時計の針は、午前六時を指している。


ここは、夕暮れの街中でも、夜の帳に包まれる直前の森の中でもない。


紛れもなく、自分の部屋だった。


だとすれば、あれは――、


「夢……?」


呆然とつぶやき、


まだドキドキと激しく跳ね回る鼓動を感じながら、やたらと重い体をベッドの上に引き起こした。


もう十月だと言うのに、背中にはぐっしょりと寝汗をかいている。


頬に残る涙の後を両手で拭い取り、右手のひらを目の前でそっと開いて見つめてみれば、そこに残るのは繋いだ手の感触。


あのぬくもりが残っている気がして、ギュッと右手を握りしめた。