いた!!



今日も先輩は、中庭の木の下で寝転んでいた。




「先輩っ!!!」

息も整えないまま、私は大声で叫ぶ。




一瞬びっくりしたように目を見開いてから、先輩は腰を上げた。


「…アンタ…」



「私!!先輩を諦めませんから!何言われても、先輩のこと諦めませんから!!」




きょとんとする智晴先輩。
それから、ふっと微笑んだ。


「まぁ、頑張って。」



「じゃあ勝手に頑張らせていただきます!じゃあ、失礼します!!」


無意味に叫んで、私は中庭を走って去った。