「お父さん、緊張しすぎだよ。」
私がからかい半分で言うと、お父さんはひとつ咳払いをした。
「…今までほんとにありがとう、お父さん。」
そう告げると、お父さんは何も言わずに頷いた。
お父さんに智晴を紹介したとき、ひどく不機嫌だったお父さん。
お母さんになだめられながら、いつもは飲まないビールを飲んでたっけ。
それでも、「娘を頼む」、昨日智晴に電話でそう言っていたことを智晴から聞かされた。
そんなことを思い出しているうちに、いつのまにかチャペルの扉の前までやってきた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…