人がいなくなった控え室で、目の前の鏡にうつる自分の姿を眺めてみる。 改めて、智晴のお嫁さんになるんだと実感する。 深呼吸していると、係の人が私をよびにきた。 「そろそろチャペルの方にお移りください。」 静かに立って少し進むと、お父さんがたっていた。 なんにも話さないお父さん。 顔つきも心なしか緊張しているように見える。 「お父さん?」 「…なんだ。」 …声まで震えてる。 そんなお父さんに、少しだけ笑ってしまった。