「…もうおまえら帰れよ。邪魔なんだけど。」

智晴先輩が優介先輩と奏多先輩を軽く睨みながら言う。




「はいはーい。邪魔者は退散しますよー。」

奏多先輩は口を尖らせながらそう言うと、優介先輩と一緒に去ろうとした。




「あのっ…私もかえ…」

智晴先輩とは気まずいままだから、私も一緒に帰ろうとすると、反対に睨まれる。



「アンタはここ。」

智晴先輩は自分が寄りかかっている手すりの隣をぽんぽんと叩いた。




「…はい。」

…惚れた弱みで、どうしても逆らえない。
私は、素直に智晴先輩の隣に並んだ。