「いってぇ…。」

涙目の奏多先輩を尻目に、智晴先輩は私に向き直る。


「ごめん、奏多、噂どおりこういうヤツだから。あんまり近寄らないで。」




さりげなく自分のかげに私を隠す智晴先輩に、不覚にも胸が痛くなる。




「ちょっと〜、そこ、いちゃつかないでくれない?」

じとーっと私と智晴先輩を見ながら、奏多先輩が言う。




「いちゃ…!?いちゃついてなんかいませんよ!!」

私が慌ててぶんぶん頭をふると、優介先輩と奏多先輩が同時に吹き出した。




「柚杞ちゃんてかわいいね!」

奏多先輩に言われて、私の顔はさらに赤くなった。