「智晴…!」 雪崩のように降りてくる人の中に、舞花を見つける。 舞花は俺に走りよって、俺にぎゅっと抱きついた。 「智晴、会いたかった…!」 「…舞花。」 そっと、俺の背中に回された細い腕を離した。 「智晴…わたしのこと、嫌いになった?」 泣きそうな声で、俺を見つめる舞花。 …違うよ。 ずっとずっとずっと、大好きだった。 君以外、見えなかった。 君しか見えなかった。 …だからこそ。 俺は、ケリをつけなきゃならないんだ。