夜、自分の部屋で勉強をしていると、ケータイの着信音が鳴る。 ディスプレイを見ると… 舞花の名前が表示されていた。 「…もしもし。なんかあった?」 電話に出てそう言うと、受話器越しに舞花の啜り泣く声が聞こえる。 「…智晴〜…。もぅやだ…。」 …いつものこと。 また、奏多が何かしたんだろう。 「明日、仕事終わった後に会いたい…。智晴、いい?」 舞花の、涙ぐんだ声。 この声を聞くたびに、俺は心臓を捕まれるような感覚に襲われた。 何度もグラッと来た。