「…優介」
「同情とか、いらないから。別に、柚杞ちゃんを好きになったこと、後悔してないし。」
俺が優介に声をかけるのを遮って、優介はそう言った。
「…初めて、本当に笑えたんだ。初めて、近づきたいって、思えた。初めて、本気で好きだって思えた。」
優介は、モテる。
見かけはいいし、態度とか口調とかも王子っぽい。
だから、女もいくらでもよってくるはずだ。
でも、優介は微笑んでやんわりとそれを拒否する。自分のテリトリーに入ることを許さない。
ずっと、そうだった。
…高科に出会うまでは。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…