…初めて、感情が乱れた。 どうしようもないくらい、イライラして。 ぐちゃぐちゃした、どろどろした感情が俺を襲った。 「…智晴。」 いきなり、後ろから落ち着きのある声が聞こえた。 …この声が、分からないはずがない。 「…。」 何も答えずにただ黙っていると、俺の隣に座るその人物。 「…傷、大丈夫?」 そう言って、俺に小さな袋を差し出した。 「…なに、優介はわざわざこんなことしにきたわけ?」 …そう、隣にいるのは優介だ。