しばらくして、夏樹先輩と未来先輩がなんとか野次馬を追い払ってくれて、屋上には私と優介先輩だけが残された。 「柚杞ちゃん…。」 優介先輩の苦い表情。 …そんな顔を見ることが、辛かった。 「…ごめんね、勝手なことして。あと…見ちゃって。」 優介先輩は、智晴先輩が私にキスしているところを見てしまった。 …優しい優介先輩は、私の代わりに智晴先輩に怒ってくれた。 …その、優しさが辛かった。