「ごめん、用事できた。帰る。」 「…はい。気をつけて帰ってくださいね。」 できるだけ精一杯の笑顔で先輩をみる。 智晴先輩は、もう一度謝ると、走ってお店を出ていった。 私もすっかり汗をかいてぬるくなったチョコファジを飲み干すと、力なく席をたって外に出た。 「…あ…。」 外に出ると、騒然としたあたりとは対照に、ひらり、と静かに舞い降りてくる雪。 急に、あたりが寒く感じた。