「結香!」 ゆかちんとドーナツを食べていると、いきなり目の前に夏樹先輩が現れた。 「…夏くん!?」 ゆかちんが驚いたように夏樹先輩を見上げる。 「結香、ごめん!お…むぐっ…」 大きな声で謝罪しようとする夏樹先輩の口を、誰かの手が覆う。 「…夏樹、場所を考えろ。もう少し声を落とせバカ。」 そこにいたのは… 「智晴先輩…?」 そう、智晴先輩だった。 「コイツ、いきなり走りだして。謝るとかなんとか言いながら。だから、暴走を止めに。」 少し息を乱しながら智晴先輩は事情を説明した。