帰り道、駅前のミスドでゆかちんと二人、ドーナツを頬張る。
「…で、夏樹先輩となにがあったの?」
私が聞くと、ゆかちんはあからさまに顔をしかめた。
「他の女の人と、出かけてたの。まぁ、二人っきりってわけではなかったんだけど…。未来先輩と、女の人二人で。」
いったんジュースをすすってから、また話しだすゆかちん。
「分かってるよ?夏くんにもちゃんと友達がいるし、友達も大事にして欲しい。…でも、先輩だし、夏くんモテるから、だから、不安で…。」
「ゆかちん…。」
ゆかちんの不安は、分かる気がする。
学生のカップルの歳の差は、けっこう大きかったりするし…。
一つ違うだけで、すごくオトナに見えたりもする。
でも…
「ゆかちん、私から見てだけど。夏樹先輩は、ちゃんとゆかちんのこと好きだと思う。だから、ゆかちんのそういう不安、全部話したらどうかな?きっと、夏樹先輩は分かってくれるんじゃない?…って、かなりありきたりなことしか言えないけど。」
「…ありがとう、柚杞。あたし、話してみるね。」
ゆかちんは少しだけ、安心したように微笑んだ。

