「…確かに、今はけっこう笑うようになったかもな。」
…え?
「どっかのアホでドジなうるさいお人好しのせいで。」
「…アホでドジな、うるさいお人好し?それって最悪な人じゃないですか?」
私が言うと、先輩は一瞬きょとんとして、その後いきなり笑いだした。
「…だよな。そのうえ、そいつ、超鈍感なんだよな。…んとにバカなやつ。」
ひとしきり笑うと、智晴先輩は授業があるからとかなんとか言いながら帰っていった。
アホでドジなうるさいお人好し+鈍感…。
その人は、先輩と親しいのかな?
…って。
…え?
先輩、私がコメントした後に鈍感ってつけたした…?
え…?
それって…
私…なのかな…?
自惚れじゃない?
私の体温が、一気に上がっていく気がした。

